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こんにちは、柴山です。
以前の記事の通り、補助金は「競争型」の制度であり、申請すれば必ず採択されるわけではありません。
採択率を上げるには、事業計画の内容に加えて「加点項目」を戦略的に活用することも重要です。
今回は補助金の採択を受ける上で有利になる「加点項目」および「減点項目」について解説します。
加点要項目とは何か?なぜ重要?
加点要素について説明するにあたって、とある会社が営業職を募集する場合に例えてみると…
| 補助金の申請 | 営業職の募集 | |
| 必須項目 | 書類要件を満たすこと | 普通免許を所持 |
| オプション項目 | 加点項目を満たす | 業界経験者・資格持ち |
こんな感じです。
必須項目は申請(応募)するのに絶対に必要です。これに対してオプション項目は無くても申請(応募)できるものの、有った方が採択(採用)される可能性は高くなります。
加点項目には何がある?
補助金の種類により異なりますが、次のような加点項目があります。募集の度に変わる可能性が有りますので、最新情報は公式サイトで確認してください。
参考までに直近の「ものづくり補助金」にあった主な加点項目をまとめてみました。
ものづくり補助金(第22次)の主な加点項目
| 加点項目 | 内容 | 備考・必要な書類など |
| 経営革新計画 | 締切時点で承認を得ていること | 参照:愛知県での申請の手引き |
| パートナーシップ構築宣言 | 締切時点で宣言を公表していること | 参照:パートナーシップ構築宣言サイト |
| DX 認定 | 締切時点で認定を取得していること | 参照:DX認定サイト |
| 賃上げ加点 | 所定の要件を満たす賃上げの目標値を設定、社内で表明していること | 達成できなかった場合にペナルティあり |
| 再生事業者 | 特定の公的機関の支援を受ける | 再生事業者確認書など |
※正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」となります
「今までにない取り組み」経営革新計画とは
上の表だけではピンとこないと思いますので、加点要素の1つ、経営革新計画について説明します。
「経営革新計画」とは、会社が「新しい取り組みに挑戦し、大きく成長するための計画」を国や都道府県に承認してもらう公的な制度です。
| 要素 | 説明 |
| 内容 | 新商品・サービスの開発や提供、新しい生産・販売方法の導入など、自社にとって初めての取り組みにより、3年~5年で利益や付加価値を成長させる計画を作成 |
| 手続き | 都道府県の窓口に提出⇒審査に通れば承認通知が届く |
こちらより愛知県の企業の経営革新計画の事例を見ることができます。
経営革新計画の承認を受けると補助金の採択で有利になるだけでなく、政府系の金融機関で低金利での融資受けられるなど他のメリットもあります。
加点項目を申請する際の注意点
証明書類を必ず添付する
→ 申請書に記載しても、証明がなければ「加点として認められない」ため注意。
項目によっては早目の手配が必要
→ 経営革新計画などは申請から承認まで1〜2ヶ月かかることもあります。
公募が始まってからでは準備が間に合わない可能性がありますので、将来的に補助金を活用したいと考えている事業者はあらかじめ手配をしておく必要があります。
加点項目と特例措置要件の違い
補助金を申請する上で必要な最低条件を満たすだけでなく、+αの要素を加えるという点で「加点項目」と「特例措置要件」は共通点があります。ですが、この2つには明確な違いがありますので以下の表にて確認してください。
| 比較項目 | 加点項目 | 特例措置要件 |
|---|---|---|
| 目的 | 採択審査で評価を上げる | 優遇措置を受ける |
| 審査への影響 | 採択点数に加点されることで採択されやすくなる | 補助率・上限額などで優遇される |
| 必須かどうか | 無くても応募自体は可能(任意) | 優遇措置を受けるには必須 |
| 提出物 | 自己申告・証明書提出が必要 | 要件確認と関連資料の提出が必要 |
| 第22次ものづくり補助金での例 | ・経営革新計画承認 ・成長戦略型中小企業等認定 など | ・最低賃金引上げ特例要件 ・賃上げ特例要件 ・グリーン成長特例要件 など |
端的にまとめると次のようになります。
- 加点項目は採択率を上げるため
例:経営革新計画が承認済みであれば+加点。 - 特例措置要件はもらえる金額・条件をよくするため
例:賃上げ特例要件を満たせば補助率が2/3になる(通常は1/2)
特例措置要件については、こちらの記事も参照してください。
減点を受ける事業者とは?
以下に該当する事業者は減点の対象となり、採択されにくくなります。
主な減点項目(ものづくり補助金の場合)
- 過去 3 年間に本補助金の交付決定を 1 回受けている事業者
- 過去に本補助金の交付を受けたが要件を達成できなかった事業者
- 他の補助金によって行うはずだった事業が進展していない事業者
これらについても詳細は公募要領に記載されています。
加点の有無で採択は変わるのか?
多数の企業が応募する補助金では優劣に差がつきにくく、加点項目の有無が採択・不採択を分ける可能性も大いにあります。
応募する他社も可能な限り加点要項目をつけてくるはずです。採択の可否が自社の将来に影響することを考えれば、加点項目を1つでも多くする努力は当然だと言えます。
次回の記事はこちら Jグランツと電子申請について


