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こんにちは、柴山です。
今回から小規模事業者持続化補助金の解説をします。
この補助金の主な特徴は以下の通りです。
- 小規模事業者(以下の法人や個人事業主)向け
製造業・宿泊業・娯楽業で従業員20人以下
商業・サービス業で5人以下 - 上限金額が低い
(50万円 賃上げ等の条件を満たすと最大で250万円) - 補助率が高い(通常2/3、特例により3/4)
- 採択率が比較的高い(50%程度)
- 申請のための提出書類が比較的少ない
なお、現在(2026年2月時点)で、第19回の公募要領が公開されており、申請受付期間は3月6日~4月30日17時までとなっています。
公式サイトは こちら
とある飲食店にて、店長と店員の会話
この補助金についての大枠を把握して頂くために、架空の飲食店での会話例を作ってみました。

店員
店長!
国からお金がもらえる補助金って制度があると聞いたんですけど、
これ使えばタダでいろいろ買えるんですか?
オーブンの調子が悪いので新調して欲しいんですけど!
店長
いや、そこはちょっと違うみたいだぞ。
補助率っていうのが決まっていて、その範囲内しか出ないらしい。


店員
?
① 自己負担はある(補助率の考え方)
店長
原則、かかった費用の3分の2までのお金をくれる。
だけど残りの3分の1は自分たちでなんとかしろ!ということらしい。
そうしないと、とにかくなんでも補助金を申請してやれ!となってしまうからな。


店員
たしかに。
なんでもタダで買えるとしたら、申請しなきゃ損!ってなっちゃいますね。
② 何にでも使えるわけではない

店員
じゃあ、店で要るものだったら何でも実質1/3のお金で買えるってことで?
店長
それも違う。
まず、販路開拓のために使うお金であることが条件。
さらに経費の種類も決まってるらしい。

③ すぐにもらえる・必ずもらえるわけではない

店員
ところで申請したら、すぐにお金が振り込まれるんですか?
店長
実際にお金を受け取るまで、いくつも段階があるみたい。
調べてみると、
申請
↓
採択
↓
見積などを揃えて提出
↓
交付決定
↓
設備投資や広告など 事業実施
↓
事業実施の実績報告・補助金の請求
↓
補助金の交付
↓
事業実施から1年後に報告書提出
こんな感じらしい。結構ややこしいぞ。
あと補助金は基本、後払いだから。

④上限金額が決まっている

店員
普通に考えて、最大でいくらまでもらえるかとか決まってるんですよね?
店長
そうだね。まず通常であれば50万円まで。
インボイス登録をしていなかった事業者が一定期間内に登録することで上限金額が50万円上乗せされる。さらに従業員の賃上げの条件を満たすと150万円の上乗せ。
これで最大250万円が上限金額だよ。
なんか、これにも細かい条件があるらしいけど。


店員
だったら、これを機会にドーンと賃上げしてください!
店長
う~ん(考えてはいるんだけど)

ところで「販売開拓」って何を行うの?
店長
ところで、補助金で何を買うか、ということより何をやりたいか、が重要なんだけど。


店員
その2つは同じじゃないですか?
店長
厳密に考えると違う。
『やりたいこと』は例えばウチみたいな飲食店だと、
・新しいメニューを開発したい
・お金のある年配の顧客層を獲得したい
・今までは夜の営業だけだったけどランチも始めたい
・高齢のお客様のためにバリアフリーにしたい
等々。
これら『やりたいこと』が販路開拓、つまり現状の売上維持ではなく売上増につながることであれば補助金の対象事業になる。
『やりたいこと』を実現するために、チラシを撒いたり、新しいメニューのために調理器具を買ったりするのが具体的な補助金の使い道だね。


店員
ということは、ただ単にオーブンが壊れたから買い替えたい、ではダメなんですかね?
店長
それだと申請は出来ても採択されない可能性が高いかな。
実は前から低温調理メニューを始めようと思っていて、いずれオーブンを買い替えるなら温度管理が正確にできるものにしたいんだ。
で、新メニューを始めるにあたってSNS広告をやってみようかな、と
せっかくだから、一時的ではなくて継続的な売上増に結び付けたいんだ。


店員
おお!それなら確かに販路開拓に該当するかもしれませんね!
ところで新メニューを始めるにあたって、1つ提案があるんですが…
店長
?


店員
試食はぜひ、この私にお任せください!
あと、まかないもそれで!
店長
えぇ…(こいつ)

小規模事業者持続化補助金について補足
対象となる事業者の例
- 個人経営・家族経営の飲食店
- 従業員数名の美容室・整体院・学習塾
- 地域密着型の工務店・設備業
- 個人または少人数で活動している士業(行政書士・社労士など)
このような事業者では多くの場合、補助金申請に専念できるスタッフがいないと思われます。そういった事情を考慮してか、申請のための作業量は他の補助金より少なくなっています。
なお、
- 大企業の子会社
- 過去に補助金に関する不正があった
…といった事業者を対象外とするなどの細かな規定があります。詳細については公募要領にて確認が必要です。
上限金額・補助率について
最初にまず、多くの方が気になる「いくらまで補助されるのか?」という点について
- 補助上限額:通常50万円
これに加えて
インボイス登録事業者になることで50万円上乗せ
特定の賃上げの要件を満たすことで150万円上乗せ
⇒最大で250万円 - 補助率:原則として経費の2/3
(※赤字事業者など要件を満たす場合3/4)
例として、
150万円の取り組み(投資など)を行った場合
・約100万円が補助金による支援を受けられ
・残りは50万円が自己負担
となります。
という考え方になります。
経費全体の2/3未満であっても上限金額を超える補助金を受け取ることはできません。
補助金を受け取るタイミング
実際に補助金を受け取れるのは投資を行った後になるため、業者への支払いなどに資金調達が必要です。
といった制度の基本的な仕組みについて把握しておく必要があります。補助金全般にて、よくある勘違いについては以下の記事をご覧ください。

どんなことに補助金は使える?
小規模事業者持続化補助金は「販売開拓のための経費」に使えます。
- ホームページの作成・改修、SNS広告(ウエブサイト関連費)
- チラシや看板、広告の活用
- 展示会への出展、旅費
- 設備投資、新商品の開発(試作品の製作)など
これらに使える一方で、
- ウエブサイト関連費のみの申請はできない。申請額の1/4までしか使えない
- 社用車の購入、保険料、商品の仕入れには使えない
など、使途についての制限があります。
売上や利益の一時的な増加だけでなく、事業者の持続的な成長・発展につながるような事業が採択される傾向があります。
何がしたいか、が一番大事!
小規模事業者持続化補助金は様々な使途で使えます。
が、上の会話例の通り、重要なのはお金の使途そのものよりも、何をしたいかです。
ここで役立つのが中小企業診断士の2次試験の試験科目の1つ、事例Ⅱ(マーケティング・流通)で用いられる考え方です。
限られた試験時間内で解答に迷わないために、事例Ⅱでは「だなどこ」を忘れないことが鉄板とされています。
すなわち
- だ:誰に商品やサービスを売りたいか(BtoCであれば富裕層、女性、学生など)
- な:何を売りたいか(既存製品、新サービスなど)
- ど:どうやって売りたいか(SNS広告を使う、展示会に出す、特定店舗だけの限定販売にするなど)
- こ:効果はなにを期待するか(売上を増やす、利益率を上げる、リピーターを増やすなど)
立地に恵まれた飲食店がうつべき施策は?
とある立地に恵まれた飲食店で、来店数は充分ある(座席はほぼ埋まっている)のに利益率が低いのが長年の課題だとします。
現状を打開するためにできることの例として…
- 立ち飲み形式にする
客層・メニューは今のまま
利益率は変わらなくとも、さらに回転率を上げることで売上UP - 単価・付加価値が高い新メニューを追加
値段が高くとも美味しいものが食べたい顧客層を狙う
回転率よりも利益率重視
このように同じ店であっても「だなどこ」が変われば、購入すべき設備や広告展開も変わってくることがイメージできると思います。
以下は事例Ⅱ「だなどこ」についての解説記事です。

小規模事業者持続化補助金の大枠や主旨については、以上のようになります。次回の記事で必要書類について整理したいと思います。

