【最新 令和6年 2次試験 事例Ⅱ】難問を「卑怯なやり方」で解いてみる

こんにちは、柴山です。

今回は難しかったとあちこちで評判の最新2次試験の事例Ⅱを解いてみます。なお、「解いてみます」とはいったものの、時間も測っていないし、筆記(手書き)もしていません。

それは控えめに言って、
卑怯なのでは?
という意見もあるかと思います。

が、時間内に答えを出すことにこだわるあまり、見えなくなってしまうこともある(ような気がする)ので、こういう記事があっても良いと(勝手に)思います。

INDEX

概要:令和6年の事例Ⅱの与件文は最長クラス

与件文の文字数をWordに貼り付けてカウントしてみました。なお、コピペの際に文字化けすることもありますので、細かい誤差はあるかもしれません。

  • 令和元年 2782
  • 令和2年 2213
  • 令和3年 3058
  • 令和4年 2628
  • 令和5年 2994
  • 令和6年 3104

平成年代についてまではさかのぼってカウントしていないですが、各事例とも後になるほど情報量が増えている傾向があるため、おそらく歴代でも最長ではないかと思います。

その一方で平成25年~30年の事例Ⅱに見られた、与件文以外にも表やグラフを読み解かなければならないという問題は、すっかり影を潜めました。

いずれにしても受験生は、大量の情報を処理しなければならないというのが、近年の2次試験の特徴です。

PCでの閲覧推奨:令和6年 2次試験 事例Ⅱ 与件文&感じたこと

試みとして画面を左右に分割、与件文全文と読みながら私が感じたことなどを並列にしてみました。画面の構成上、PCの方が見やすいです。

スマホで閲覧の際は画面を横にして頂いた方が見やすいですが、左右(与件文とコメント)が多少ずれる場合があります。

令和6年 事例Ⅱ 与件文
 B 社は 1953 年に創業し、資本金 700 万円、従業者数 12 人(パート・アルバイト含む)で、皿や茶碗など陶磁器の卸売業者である。現在は初代の息子が 2 代目社長を務めているが、初代の孫を 3 代目社長予定者(以下、 3 代目)として家業に呼び戻し、 6年が経ったところである。 3 代目は現在 35 歳であるが、陶磁器にも家業にも興味がなかったことから高校卒業後に地元を離れ、ファッション業界で働いていた。

 B 社が所在する X 市は古くから為政者によって陶磁器の産業化が図られており、陶磁器の産地として知られる。X 市は自然環境に恵まれているが、大消費地からもそれほど離れていない。そのため、この地域の陶磁器は、芸術品としてよりも日用品として生産されてきた歴史が長く、地域の名前を冠した「X 焼」という呼称で流通してきた。B 社の取扱商品のほとんどはこの X 焼である。

 国内の多くの地域における陶磁器と同様に、X 焼の生産は分業制によって行われる。その生産体制は、陶石から陶土を作る「陶土屋」、陶磁器の石膏型を作る「型屋」、型から生地を作る「生地屋」、生地を焼いて絵付けをする「窯元」などからなる。X 市には昔からこれらの事業者が集積し、地場産業を形成してきた。

 X 市の窯元数は、江戸時代の 2 ~ 3 軒から明治期に 20 軒、最盛期の 1980 年代には100 軒強に増え、最近でも 50 軒ほど存在する。ただし、その内実には大きな変化が生じている。1980 年代は一窯元当たり 10 ~ 20 人の陶工(陶磁器の製作者)を抱えていたのに対し、今日では一窯元当たり 1 ~ 2 人と零細になっているからである。多くの窯元が担う X 焼は図柄や色彩面で決まりを設けず、新しい作風を受け入れる土壌がある。このため、X 市にはクリエイター志望の移住者が窯元を開くケースが見られる。X 市には、こうした新規参入の窯元と歴史的に徐々に規模を縮小してきた窯元が混在している。窯元が零細化した影響は、川上に当たる陶土屋や型屋、生地屋にも及ぶ。

 B 社はいわゆる産地問屋と呼ばれる卸売業者である。その事業内容は、X 市にある複数の窯元から陶磁器を集めて大消費地の陶磁器卸売業者に販売したり、百貨店やインテリアショップなど小売業のバイヤーや法人などの買い手からの注文をとりまとめて窯元に伝えたり、問屋オリジナル商品を企画して窯元に生産委託することである。また、問屋ではあるが、地元では自前の店舗を構え、業者のみならず一般の消費者向けにも販売を行っている。

 B 社の経営も時代の波を受けてきた。創業期には景気の好転と高度経済成長を背景に、X 焼を販売しているだけで事業を拡大することができた。1960 年代以降は、プラスチックの普及や日本の食卓における和食率の低下といったライフスタイルの変化はあったものの、結婚式の引き出物や法人の贈答品需要の増加に支えられて成長できた。1970 ~ 1980 年代には、他の地域の陶磁器卸売業者と組んで、北米向け輸出にも積極的に取り組んだ。ところが、1990 年代に入ると内需不振とともに、安価な外国製陶磁器の輸入が増加し始めた。同じ時期には 100 円ショップが台頭し、安価かつデザイン性に富んだ外国製陶磁器を消費者が容易に購入できる環境ができあがった。高齢化と人口減少が進む社会では、陶磁器の新規需要も買い替え需要も拡大が見込めない。B 社の経営状態も 1990 年代半ば以降、徐々に低迷し始め、2000 年代からは悪化の一途をたどった。B 社と同じような産地問屋は、最盛期には X 市に 11 社ほどあったが減少し、今は B 社を含め 4 社である。

 X 市では、1960 年代から大型連休に X 焼の陶磁器祭りを開催している。この祭り期間は自由に出入りできる窯元もあるほか、産地問屋や窯元が仮設の露店を構え、消費者に直接販売を行う。現在では幅広い年齢層の食器愛好家が 20 万人前後集まる大規模なイベントになった。しかし、最近では産地問屋が少なくなったことから X 焼に関する社会全般への情報発信が滞り、販路が細っている。窯元がオンラインで自らの商品をアピールすることも可能だが、規模が零細であり、生産活動も行う傍ら、頻繁な商品情報の更新を行うのは至難の業だ。6 年前、 3 代目は、手の打ちようがなくなった父親から「会社を助けてほしい」と懇願されて地元に戻った。実家に戻ったあいさつを兼ねて、 3 代目はすぐさま地元窯元の商品や自社オリジナル商品のサンプルを持って大消費地の陶磁器卸売業者へ営業に出向いた。そこには似たようなデザインの陶磁器がすでにあり、「新鮮味もないし、安くもない」と一刀両断の扱いを受けた。

 失意の 3 代目であったが、その直後、ファッション業界での経験を買われ、地元で新規開業するデザイナーズホテルの仕事に加わった。そのホテルは 1 日限定 5 組で全室に温泉をしつらえ、和とアジアンテイストを融合したプライベート感あふれる空間を提供し、地元食材を中心とした食事にもこだわることをコンセプトとしていた。 3代目がここで使われるオリジナルの食器の担当を任されて企画し、地元の窯元に生産を委託したところ、その食器はホテルの経営者や宿泊客から高い評価を得た。 3 代目は、ホテルの料理長との綿密な打ち合わせを重ね、盛り付け映えや写真映えを考え抜き、季節感や月ごとに変わる料理内容に合わせた色や形の食器を提案し続けた。この取引自体は小規模だったが、旅行の雑誌やウェブサイトなどに取り上げられたホテルの情報を見て、 3 代目の元には別の宿泊施設や飲食店からオリジナル食器の提案依頼が入り始めた。かつて地元を出て行った 3 代目が今までなかったようなセンスを持ち込んで X 焼と向き合う真剣な姿に、窯元をはじめ、この地で地場産業に携わってきた人々も温かい態度で接するようになった。 3 代目が B 社をこの路線で立て直せるかもしれないと思い始めた矢先、コロナ禍に見舞われた。

 新たな挑戦の可能性をコロナ禍に阻まれた 3 代目は落胆し、自社の存在感をアピールするためにオンラインを活用する方法について中小企業診断士に相談した結果、 3代目は、オンライン動画サイトに掲載するコンテンツをとりあえず 2 本作った。 1 本目は、家庭料理でも見違えるほどおいしそうに見える食器への盛り付け方を紹介する動画を作った。すると思いの外、再生回数が伸び、コロナ禍で家庭に関心を向けるようになった若者と見られる視聴者や海外の人々から、驚きや感動を表すコメントが書き込まれた。 2 本目は、X 市の郷土料理と X 焼を紹介する動画にした。X 市には、じっくり炙った食材を地元の発酵調味料と混ぜ合わせて食べる郷土料理がある。 3 代目はこの動画で、B 社オリジナルの陶磁器を直接ガスコンロに乗せればこの料理が家庭でも簡単に作れると実演して見せた。動画公開後の B 社には、旅先で食べたこの味わいを自宅で再現したいという視聴者からの問い合わせが相次いだ。

 自分のセンスが間違っていないと確信した 3 代目は、オリジナルの X 焼の企画と市内の窯元への生産委託を地道に続け、X 焼の地位向上のために尽力すると決めた。まず、古びた自社店舗を建て直し、明るく開放感のあるスタイリッシュな空間に切り替えたほか、自社の扱う X 焼で軽食を提供するカフェスペースも併設した。長らく会社を取り仕切ってきた 2 代目社長は、事業内容が卸売業であることから、自社ホームページには会社概要と主要取引金融機関や大口取引先の記載さえあればよいと考えていた。しかし、動画の反響を通してオンラインの有用性を痛感した 3 代目は、ホームページをリニューアルし、自社が扱う X 焼を販売する EC サイトを開設することにした。3 代目は B 社の将来を賭けて、中小企業診断士にさらに相談を続けることにした。

私が感じたこと・コメント

呼び戻され時点でまだ29歳。
そもそも陶磁器に興味が無くてファッション業界にいった3代目に対して、最初のうちは社内から反発がありそう。






知名度もあって、自然環境に恵まれ、大消費地に近い
ただし観光地とまでは言われてない
とりあえず大消費地に近いことは強み候補①

X市の陶磁器はあくまで日用品。
歴史は有っても、芸術品気取りにはなりたくない!




卸売は陶土屋~窯元があってこその商売
これが事例ⅠやⅢなら垂直統合して助けてあげるという手もありなのでは?




事例Ⅲっぽい記述






今もこの産業に残っている人の気持ちは
A.好きだからやってる、この先も続けたい
B.先の展望が見えないけど、転職のあてもない

クリエイターと地元民が互いに対する思いは?
A.協力してなんとか盛り上げたい
B.考えが合わない
ただし、元々X焼は新しい作風を受け入れる土壌あり








1次試験「中小企業経営・政策」にあった卸売業の特徴は、「売上は割と高いが利益は低い」つまり付加価値が低い。
⇒だからこそが逆に高付加価値化できればチャンス!?




B社は直営店も持ってた! 強み候補②
直営店と言えば利益率UPに加えて
・顧客の声を直接聞ける
・自分たちの想いを伝えられる
⇒顧客関係性強化 が王道

創業期は1950年代
以降は日本経済の浮き沈みをそのまま反映しているよう







内需不振 脅威の候補①

100円ショップと価格競争するのは無理!
脅威の候補②

高齢化と人口減少 脅威の候補③









逆に言えば普段は自由に窯元に出入りできないし、直接購入はできない


現在では20万人前後が集まる 
⇒しかし販路が細っている 脅威の候補④
なんとかしたい!

(窯元にとって)
商品づくりとネット販売強化同時には無理
ECが可能になればチャンス! 

あくまで個人の感想
父親(2代目)もうちょっと頑張れ
時代に翻弄されているだけやんか…


大消費地の陶磁器卸売業者「分かってねえな、コイツ」
⇒大消費地(の卸売業者)に対しては新鮮味が無く、高い 弱みの候補①

失意の三代目




デザイナーズホテルの宿泊費は高そう
属性の高い顧客を呼べるのか?
宿泊客はどういう顧客層(インバウンド?)
 ⇩
他からも提案依頼あり 機会の候補







下線部:顧客(層)候補

3代目の資質 強みの候補③
表向き:ファッション業界の経験・センス
本質:小規模取引でも全力で提案し続ける熱意・真剣な姿企画力 ⇒こっちがむしろ重要


暖かい目で見守る人々
「この男なら我らの悲願であった業界の立て直しを達成するかもしれん…」
(なにかの長老風)
…それに引き換え2代目ときたら

コロナ禍にも負けない三代目

下線部:顧客(層)候補

バズった!!! +問い合わせ
ニーズ① 食器の盛り付け
ニーズ② 郷土料理+X焼(発酵調味料)

機会の候補

あくまで個人の感想
2本の動画が再生回数が伸びたのは、たまたまかもしれない。が、この3代目なら根気よく動画をアップし続けただろうから、結果は同じになっていたはず。

下線部:顧客(層)候補





下線+太字 ⇒「3代目の想い」
1人の人間が決意を固めた瞬間!!




直営店があること自体が強み
+立て直してスタイリッシュ空間&カフェ
強み候補④



現時点ではホームページが弱い&
ECサイト未開設(これから) →弱みの候補②








第1問 「普通」のSWOT分析(20点)

B 社の現状について、SWOT 分析をせよ。各要素について①~④の解答欄にそれぞれ 40 字以内で説明すること。

第1問は「普通」のSWOT分析です。わざわざ「普通」と書くのは、

  • そもそも与件文が長い
  • 上のようにSWOTの要素が与件文全体に散らばっている

といった要因により、試験時間内に解答要素を漏れなくきっちり拾い上げるのはかなり大変だと思います。

なお私は上に書いた通り時間を測らず、かつ画面上で(PC上で)解くという卑怯な方法を採用しました。

解答例:
強み
①大消費地に近い②改装済みでカフェスペースがある直営店③3代目のセンスと企画力。(40文字)

弱み
①現在のHPは十分ではなくECサイト未開設②大消費地の卸売業者への訴求力が弱い。(38文字)

機会
①宿泊業界からのオリジナル食器への反響②オンライン動画への消費者からの反響。(38文字)

脅威
①高齢化・人口減少・内需不振②情報発信不足による販路縮小③100円ショップの台頭。(38文字)

文字数に収めるために文章ではなく箇条書きとして、ぎっちり詰め込んでいます。

第2問 何だこれ?の提案問題(25点)

 X 市は、ふるさと納税の返礼品として X 焼を活用したいと考えている。現在でも市の返礼品の中に X 焼はあるが、全国の返礼品の中で埋もれている状態にある。
3 代目は、X 市から「返礼品の中でもっと目立ち、市と X 焼のファンを増やすような返礼品の企画を考えてほしい」と依頼を受けた。ブランド価値構造のうち、消費者にもたらす感覚価値と観念価値を意識して、返礼品の企画を 100 字以内で提案せよ。

2024年の事例Ⅱを特徴づけるものは、上に書いた与件文の長さに加えて、

  • 設問文も長い(いい加減にしろ)
  • 第2問以降が全て「助言せよ」ではなく「提案せよ」になっている

といったことです。
後者が採点にどう影響するのか不明ですが、とにかく初見でこれを解かなければならない受験生のプレッシャーは相当なものだったと思います。

まずはとりあえず「だなどこ」です。

  • 誰に:ふるさと納税の利用者
  • 何を:X焼
  • どうやって:???(3代目の能力的な事はとりあえず入れたい)
  • 効果:X焼の認知拡大&ファンを増やす
    ⇒ただし感覚価値と観念価値を意識して解答

当然ながら「感覚価値と観念価値」の意味が分かっても分からなくても、自分に書ける目いっぱいの解答を書くべきです。正直、私もネットで調べてから解答を作ろうかと一瞬思ったのですが、さすがにそれは卑怯過ぎるので自粛しました。

私的には

  • 感覚価値:五感を通じて感じる価値?だとしたら、とりあえず視覚から?
  • 観念価値:X焼の紹介ストーリーになるような要素?歴史的背景・新しい作風を受け入れる土壌芸術品ではなく日用品として愛されていること?

これくらいしか思いつかないので、これで押し切ることにします。

解答例:
ふるさと納税の利用者に対して3代目のセンスと企画力を活用し①伝統的なX焼と新進クリエイターの作品を画像で視覚的に対比②日用品として愛されてきたX焼の歴史を紹介、によりブランド価値を高める訴求を行う。
(99文字)

「感覚価値・観念価値」も解答中に入れれるなら入れるに越したことはないですが、私は途中で諦めました。本番でもこれ以上の解答は書けないと思います。

第3問 ギャンブルの危険な香りが漂う提案問題(25点)

X 焼には窯元それぞれの魅力があるため、 3 代目は、消費者がいろいろな窯元の陶磁器を手にとれる機会をつくりたいと思っている。しかし、陶磁器祭りで接客をしていると、「あれもこれも欲しいが、家にはもうたくさんの食器がある。収納スペースがないし、今あるものも捨てられない」と購入をためらう食器愛好家の声をよく耳にする。3 代目は、自社や窯元の事業機会拡大を図る一方、こうした食器愛好家のニーズを充足する新規事業を手がけたいと考えている。どのような事業内容にすべきか、100字以内で提案せよ。

またしても提案問題です。

第2問のように言葉の意味的に「?」となることはないです。(そんな問題がしょっちゅう出てたまるか)

一方で、解答の方向性によっては得点をもらえるかどうか、ギャンブルになってしまうかもしれません。

設問要求が「助言せよ」ではなく「提案せよ」となったことで、辻褄さえ合っていればアイデア解答(=ギャンブル)でも許されるということなら、まだ救いがあるのですが…

これも「だなどこ」フレームワークに当てはまると、

  • 誰に:食器愛好家
  • 何を:いろいろな窯元の陶磁器
  • どうやって:???
  • 効果:3 代目の「消費者がいろいろな窯元の陶磁器を手にとれる機会をつくりたい」という想いの成就。他に顧客満足向上、顧客関係性強化、事業拡大など

効果についても迷うところがありますが、ここでのメインはあくまで「どうやって???を埋めることです。サブスク、レンタルといった方法もあるのでしょうが、私としては

世間の「○○愛好家」って基本的には
所有欲を満たしたい人なんじゃないの?
あと食器を置く場所には困っても、
お金には困ってなさそう…

そんな人が使い回しで満足するの

というあたりが気になりました。(設問中でも食器愛好家は使ってみたい」ではなく「欲しい」と言っています

で、またしても時間にもとらわれず、採点も気にする必要も無いという自由(卑怯)な立場を生かし、自分で納得できる解答を作ってみました。

解答例:
① 食器愛好家の様々な陶磁器への所有欲に対して②飲食店・宿泊施設との提携により顧客の食器を預かりMY食器として料理を提供③顧客が様々な窯元の陶磁器に触れる機会を作ることで顧客満足向上と事業拡大を図る。(99文字)

これならB社に加えて窯元・飲食店・宿泊施設のステークホルダー・オールスターズ(?)全員の利益になるのではないでしょうか?

飲食店・宿泊施設は与件文中にも登場するので、それほど突飛な「アイデア解答」ではないと(私的には)思っているものの、実現可能性が気になるところです。

第4問 とりあえず何とかなりそうな提案問題(30点)

EC サイトの新規顧客は増えたが、 3 代目は顧客の顔を直接見ながら販売できない寂しさも感じ始めた。3 代目は、今後は、X 市の地元で開く店舗と EC サイトの両方を利用する顧客を増やしていきたいと考えるようになった。B 社にはどのような施策が必要か、150 字以内で具体的に提案せよ。

ということでラスト問題です。

ラスト、と言いながら、私が試験時間内に解くのであれば最後に解くのは第2・3問のいずれかとして、こちらを先に取り掛かると思います。

またしても「だなどこ」で考えると

  • 誰に:B社の顧客(新規・既存の制約は無さそう)
  • 何を:陶磁器(制約は無さそう)
  • どうやって???
  • 効果:実店舗とECサイトの両方を利用する顧客を増やす
    ⇒これは設問文に書いてある(所与)ため、全部までは書かなくて良さそう。

解答例:
実店舗・ECサイト両方の利用者が登録できる会員制を開始、会員に対して①陶磁器祭りの際に窯元案内ツアーを開催②デザイナーズホテルでの食事会開催③自社カフェスペースにて料理の盛り付け方教室など体験イベント開催④ECサイトにて会員限定の食器を販売、などの特典を用意することで実店舗・ECサイト双方の利用を促す。(149字)

過去問の解答例でも会員制・ポイント制を販促手段とすることはあったはずなので、これは割と普通の解答なのではないでしょうか?

もっと文字数があれば会員限定で視聴可能な動画配信もアリかもしれません。

最後に全4問で難易度ランキングを考えてみた

難しい順に並べると

第3問≧第2問>第4問=第1問

ではないかと思います。

提案問題3つの中では、第4問は「とりあえず書こうと思えば何とでも書ける」感があります。

一方、第2問については感覚的価値・観念的価値の意味を想像で書かざる得ない点、

第3問については食器をあれもこれも欲しいと言っている(「使ってみたい」ではない)という愛好家に対してレンタルやサブスクがアリという前提で解答を書いて良いのかという点、

それぞれにギャンブルとなる要素があります。かといって私の解答では第3問で「所有」にこだわってしまったので、それはそれでリスキーかなと自分でも思っています。

とはいえ2次試験が相対評価という前提で考えるなら、一貫性・論理性がある解答であれば得点はもらえるのではないでしょうか。
(気休めに聞こえるかもしれませんが、その通りです)


ということで、今回はここまで。

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