「シャンパンタワーの法則」とマネジメント

こんにちは。柴山です。

とある勉強会にて、人間の心理について洞察した「シャンパンタワーの法則」というものを知りました。今回はこれについて私なりの考えをまとめてみました。なお、シャンパンタワー自体の楽しみ方・醍醐味について知りたい方は他を当たってください。

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念のためシャンパンタワーについて確認

ちなみに私はシャンパンタワーを実際にオーダーしたことはありません。

説明しなくても皆さん分かると思いますが、最上段のグラスにボトルのシャンパンを注いていき、溢れ出たシャンパンが次々と下の段のグラスを満たしていくのを皆で見て盛り上がるワケです。

興味が無い方からすれば

何が楽しいねん!(あと酒を無駄にすんな!)

となりますが、その是非について考えるのはこの記事の主題ではありません。

これを人間心理に当てはめて考える

イメージとしては、

まず、最上段のグラスが自分の心、
次の段のグラスは家族など近しい人の心、
3段目は職場の同僚や友人など、家族ほどではないが自分に関わりが深い人たちの心、
さらに下の段のグラスは自分との関りが薄くなる代わりに、より広い範囲の交友関係の人たちの心

…のような感じです。

で、グラスを心に例えたということは
グラスを満たす = 心を満たす
ということになります。

シャンパンタワーに注ぐときは最上段のグラスから真っ先に注ぐことになりますので、つまり

まずは自分の心から、次に自分に近しい人から順に満たしていくことが大事!

ということの比喩表現となる訳です。

これに対して

それって、ただの利己主義とちゃうん?
事業であれば、まずはお客様を満足させてあげて、その結果として自分にも利益なり感謝の心が還元されて…うんぬんかんぬん

という声も聞こえてきそうですが、この「シャンパンタワーの法則」を考えた人はそういった声に対してこう反論します。

うるせえよ!まずは自分が大事っつてんだろうが!!(怒)

いや、実際にそう言ったのを聞いた訳ではなく、多分そう言うんじゃないかな、という私の推測です。

ちなみに、この法則を提唱したのはマツダミヒロさんという方だそうです。主旨は外してないと思いますが、解釈が適当でなんかすみません。

まずは身内から、と考えるのは悪なのか?

例えば、「お客様本位」を掲げている企業で過剰な残業が横行、その結果として退職者が続出してしまったら顧客サービス向上どころではなくなります。

ここで私も中小企業診断士の端くれらしく、「シャンパンタワーの法則」とリンクするであろう経営・マネジメントの考え方をいくつか挙げてみると

ES(Employee Satisfaction=従業員満足度)
職場環境や福利厚生などを向上させることで、従業員の方が「ここで働けて良かった」みたいに思える度合い。もちろん、高齢者を騙して高額商品を売りつけるようなことをしていたら「良かった」などと思えるはずもないので、仕事自体がやりがい・意義を感じられるものであることも大切。

インターナルマーケティング
企業が従業員に向けて行うマーケティング活動。これにより上記ESが高まれば自然と従業員から顧客へのサービスも向上するので、顧客満足度もアップするのでは、と言う考え方

エンゲージメント
ビジネスの場面では大体以下2つの意味で使われます。
・従業員の勤務先企業に対する愛着や思い入れ
・消費者がブランドに対して持つ信頼や好感度
企業にとってみれば、2つのエンゲージメントが高まることで得るものはあれど失うものなど無さそうです。

これらは皆、いわゆるブラック企業のイメージとは真逆のマネジメント施策ばかりです。
こうしてみると企業が顧客よりも先に従業員の心を満たすことを考えることは、ごく真っ当なことではないかと思えてきます。

それでは次の疑問として
経営者が従業員よりも経営者自身のことを、
あるいは一般家庭において家族よりもまず自分自身の事を、
真っ先に考えるのはどうなのでしょうか?

まずは自分から、と思うのは悪なのか? そして…

これも「シャンパンタワーの法則」に則って考えれば、別に悪ではないということになります。

ただし、自分の心を満たすことを最初に考えるのと自分の利益だけを考えるのは全然違います。ちゃんと自分を大切にした上で他人も尊重できるのであれば、きっとその経営者または上司は周囲からも敬意を払われることでしょう。

そしてここからは「シャンパンタワーの法則」からは少し離れて、私が思うことを書いてみます。

それは…

自分の心を満たすって、実は一番難しいのでは?

ということです。

自分の心をを満たすためには、自分が何が欲しいか、何が一番やりたいのか分かっている必要があります。その一方、やりたいことに対して自分が適性があるかどうかはまた別。努力したからといって必ずしもなりたい自分になれる訳では無いのは世の常です。

そこで…

自分が何が欲しいかとか、何がやりたいかとか、そんなの考えるの面倒くさい!

と、考えた時にハマってしまうパターンとして

①周りの皆が欲しいと言ってるものを手に入れてみる
(反対にあえて周りの皆とは違うものを手に入れてみる)

②欲しいものが特に無いなら努力する意味も無いし、と引きこもる

③考えたり努力するのは面倒なので、他人を批判することで憂さを晴らす

④欲しいものを自分なりに探すことは放棄して、何かに「同化」してみる
何かのカリスマや思想に盲従したり、本気で関心があるわけでもないのに環境保護その他の社会運動に参加してみたり、など。(一概にそれが悪い事だと決めつけることはできませんが、そこに主体性が有るとは言えません)

ということで「シャンパンタワーの法則」の考え方にはおおむね賛成なのですが、自分の心のグラスを満たすのはそれなりに大変だというのが私なりの結論です。

皆さんはどう思われましたでしょうか?
とりあえず私はシャンパンタワーを注文するくらいなら、その分のお金を美味しい日本酒を飲むことに使いたいと思います。

それでは今回はここまで。

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