こんにちは、柴山です。
私の知っている人に、
部下の仕事が未達だと
時間がないのは言い訳にならん!!
と、怒鳴るのに
自分の仕事が未達の際は
オマエらと違って俺は忙しいんだ!
と、怒鳴る人がいました。

冗談で言っている訳では無いので、なおタチが悪い…
今回は、このような発言の裏にどのような心理が隠れているのか、AIに相談しながら分析してみました。
世の中には同僚や上司の理不尽な言動に振り回されている人も大勢いると思います。
「ああ、この人の心の中ではこういうメカニズムが働いているんだな…」ということが分かれば、振り回される側の人も少しは対処しやすくなるのではないでしょうか。
(なお対処できるようになるとは言ってないので注意)
自己奉仕バイアス(Self-serving bias)
最初にまず「自己奉仕バイアス」です。
これは、
- 成功は自分の内的要因(能力や努力)に帰属させる
- 失敗は外的要因(時間や運)に帰属させる
という、スーパー困った性向(傾向)です。
平たく言えば
俺の成功は俺が頑張ったおかげ
俺の失敗は周囲のせい
ということなので
俺のものは俺のもの
お前のものは俺のもの
と言ってのけるメンタルに通じるものがあります。
タチが悪いのは、本人は冗談ではなく本気でそう思っているという点です。
(これは今回取り上げる心理パターン全てに当てはまります)
対処法:
1:感情的にならない
「先週私が『時間が無い』と言ったときは、○○さん確かブチ切れていましたよね?」
などと反論すると、相手はより感情的になり、さらに自己防衛がエスカレートします。
そこで(不本意ながら)「いや~、○○さん、僕らより忙しいですもんね」と、いったん相手の言い分を認めるフリをします。
2:事実を元に確認する
「この資料は昨日の17時期限でしたけど(確認)、では締め切りを再設定するとしてどうしましょう?(再確認)」
相手が都合の良い解釈をする余地がないように、約束や期限をしっかり確認してから解決策を持ち出します。
3:「私」を主語にする
「あなたは約束を守らなかった」と言うと相手は反撃してくる可能性があります。
そこで「私は資料をまとめられなくてこまっています」と下から相談するスタンスにすると、相手は「困った部下を助けてあげる、カッコいい俺」という自己像に満足して協力してくれるかもしれません。
4:議事録をとる・メールのやりとりを残す
口頭でのやりとりが意味をなさないとなると、関係としてはすでに終わっていると言って良いかもしれません。
それでも仕事で関わらざるを得ない場合は証拠を残しましょう。
認知的不協和(Cognitive dissonance)
人は自動車やブランド品など高い買い物をした際、「もしかして俺、とんでもない無駄遣いをしたんじゃ…」という不安にかられることがあります。
こういった、自分では認めたくない不安やストレスを抱えた状態が「認知的不協和」です。
そういう状態に置かれた人がよく取る行動といえば、あらためてカタログやメーカーホームページを見ることで
いやいや、自分がとった行動(=買ってしまったこと)は正しいんだ
と、自分で自分を納得させることです。誰しも記憶にあるのではないでしょうか?
同じように、自分が仕事を未達であることを指摘された人は「俺は特別に忙しいんだ!!」という言い訳によって、「俺って仕事ができない奴なんじゃ…」という不安を振り払おうとしている、とも考えられます。
対処法:
自分の仕事の未達のせいで「認知的不協和」に陥っている上司を、なぜこちらが気にかけてあげなくてはならないのか、という疑問はありますが、そこは「しゃーない」と切り替えていきましょう。
自己奉仕バイアスのところで書いた、「感情的にならない」などはここでも有効です。
付け加えるなら
これからなんとか間に合わせるために、
AとB、どちらのやり方でいきましょうか?
などのような発言により
もう過ぎたことは責めないから
これからのことを考えましょう!
といったことを暗に示すスタンスが有効かもしれません。
人一倍、プライドと自己防衛本能が強い相手を、なるべく刺激しないようにことを進めましょう。
特権意識(Sense of entitlement)
自分は特別な扱いを受けるべきだという信念です。自分の時間的制約は重要だが、他者の時間的制約は重要でないと本気で考えている、全くもってけしからん思考回路です。
これには自己認識の歪み、共感能力の欠如、強い自己正当化メカニズムなどが働いていると考えられます。
対処法:
だんだん対処法を書いていくのが虚しくなってきましたが、それでも頑張って挙げていくなら…
1:過剰な期待はさせない
非現実的な要求に対しては「これを期限内に達成するには、これだけの人手が必要です」など、あらかじめ釘をさす。
2:成果を可視化しておく
特権意識から来る不当な評価を防ぐために、自分の貢献を具体的に文書化することで証拠を残しておく。
3:感謝や認識を示す
「ありがとうございます」「アドバイスのおかげです」などの言葉で上司の特権意識をを満たす。
この戦いに勝つ必要はない
特権意識その他、ここで書いた思考パターンがあまりにひどく、
あ、もうダメだ、この人
そう思えた場合の最後の対処法として
距離をおく:
自分のメンタルヘルスを優先して、 異動や転職も選択肢として検討する。とにかく自分を守ることを最優先にする。
というものがあります。
理不尽さが限度を越して、パワハラのレベルに達しているようであれば、業務上の納期よりも自分を守るための対策を取りましょう。あなたを最後に守るのはあなた自身しかいないということをお忘れなく。
ということで、今回はここまで。