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こんにちは、柴山です。
今回より、【HOW TO 補助金申請】というシリーズ記事を書いていきます。第1回目は「そもそも補助金とはなにか?」というところからです。
補助金は「未来への投資」を後押しする制度
補助金って聞いたことはあるけど、よくわからない…、
助成金や給付金と何が違う?
補助金についての最初の疑問はこれではないかと思います。
端的に言えば、補助金とは国や自治体が企業の新たな取り組みを後押しするために交付する資金です。最も大きな特徴は、「未来への投資に対する支援」であること。
たとえば、以下のようなケースで活用されます。
- 新商品・サービスの開発・新分野への進出
- 販路開拓のための広告や展示会などへの出展
- DX対応
- 生産性向上や省力化に向けた設備投資
これらはすべて、企業が「これから挑戦すること」に対して支援するという目的のもと交付されます。以下に助成金・給付金との違いをまとめてみました。
補助金/助成金/給付金の違い
| 種類 | 主な目的 | 対象 | 支給の可否 |
| 補助金 | 新たな取り組み・投資の支援 | 主に中小企業、個人事業主 | 限られた予算の中で審査が有るため競争的 |
| 助成金 | 雇用や労働環境の整備 | 主に雇用保険に加入している企業 | 要件を満たせば原則支給 |
| 給付金 | 災害や感染症などによる支援 | 主に被災者・生活困窮者など特定の条件に当てはまる個人 | 要件を満たせば原則支給 |
ごく大ざっぱにまとめると…
助成金や給付金
- 災害その他なんらかの困った状態から正常な状態に戻す、または近づけるために使われる
⇒マイナスの状態からの復旧 - 提出書類など条件を満たしていれば原則としてもらえる
補助金
- 売上拡大など、事業の未来のために使われる
⇒現状からのさらなる発展 - 申請すれば必ずもらえるものではなく、多くの応募の中から選ばれる(採択される)必要がある

助成金や給付金は困難な状況からの復帰のために、
補助金は未来の発展のために、
それぞれ使われます。
(おおよそのイメージです)
「補助金は税金の垂れ流し」って本当?
よくある批判として、
補助金って税金のバラマキ、垂れ流しなのでは?
という意見があります。
しかし、実際には上記のように補助金は審査を経て交付されます。
また投資に必要な全額が支払われるわけではなく、さらに補助金を受けた企業は「成果報告」や「設備の管理義務」などが課されています。つまり単純に「お金がもらえてお得」という訳ではありません。
これらについては、一連の記事にて順次解説していく予定です。
主な補助金制度の例
ここでは代表的な補助金にどのようなものがあるか、簡単に紹介するにとどめます。それぞれの詳細は今後追加する別記事にて解説していく予定です。
日本全国の事業者が利用できる補助金(それぞれ要件あり)には以下のようなものがあり、これ以外にも地方自治体が実施している補助金制度があります。
| 補助金の種類 | 補助金の使途 | 特徴 |
|---|---|---|
| ものづくり補助金 | 革新的な製品やサービスの開発 | 既存の製品・サービスの生産性を大幅に向上させる投資にも使える |
| 省力化補助金 | 売上拡大・生産性向上 | 人手不足解消を目指す |
| 小規模事業者持続化補助金 | 販促・業務効率化など | 上限金額は少ないが応募しやすく、採択率も高い |
| IT導入補助金 | ソフトウェア導入・DX推進 | 事前に登録されたソフトウエアやサービス等の中から選択して導入 |
| 新事業進出補助金 | 新しい事業への進出 | これまでとは異なる市場・顧客を対象にした新事業に挑戦する事業者を支援 |
それぞれの補助金ごとに、どのような投資に使えるかが決まっています。補助金の多くは一度で終わりということはなく、繰り返し公募(募集すること)されます。
各補助金には公募開始前(応募できるようになる前)から
- スケジュール
- 公募要領
などが情報公開されます。
補助金の利用を考えている事業者は、自社の事業に適しているのがどの補助金なのか、情報収集の上で慎重に検討しなければなりません。
現在の補助金申請は電子申請が基本
近年、日本の補助金申請はほぼすべて電子申請となっています。
紙で提出できる補助金もごく一部ありますが、主流・標準はWeb経由の申請です。
電子申請では
- 自社の沿革や補助金で行いたい投資内容など、申請フォームの指示に従い入力
- 事業計画書や決算書など指定の資料をアップロード
- 反社会的勢力ではない、過去に補助金を巡る不正が無い、など確認事項にチェックを入れる
などを行った上で、最終的に「申請する」のボタンを押すことで申請手続きが完了します。
各補助金の申請には期日が設けられており、指定期日(時刻の指定あり)までに申請手続きが完了していないと受理されません。締切当日は申込が殺到するためか、ネット接続が不安定になることがあるため余裕を持って申請すべきです。

期日に間に合わなければ労力がムダに!
必死に事業計画を考え、書類を準備しても期限内に申請できなければ徒労に終わります。
補助金申請にはスケジュール管理が重要です。
操作マニュアルなどは公式サイトから入手可能
各補助金ごとにルールを定めた公募要領(後述)やマニュアルが公式サイトよりダウンロードできます。従って必要な情報は入手できるものの、各資料を読み解く作業が必要です。
例:第2回 新事業進出補助金の電子申請マニュアルから抜粋

電子申請のメリットには次のような点があります。
- 書類の提出ミスや添付漏れを防ぐ支援機能がある
- タイムスタンプ付きで提出日時が明確になる
- 受付後のステータス(進捗)をオンラインで確認できる
なお電子申請画面にログインするには、事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要になります。
これは行政の各種電子申請サービスに共通して使われるログインアカウントで、取得の申請から発行されるまでに若干のタイムラグがあります。このため補助金申請を検討し始めた段階での取得をおすすめします。
申請に必要な主な書類
補助金申請で最低限必要とされる書類は補助金ごとに違いはありますが、基本的に以下のようなものが求められます。
- 直近の決算書類(2~3期分)、確定申告書、事業概況説明書など事業の実態があることを証明する書類
- 事業計画書、見積書、設備カタログなど、補助金で行いたい投資について内容が具体的に分かるようにする書類
このうち②については、申請手続き上は必須書類となっていない場合もありますが、これらを添付することなく採択されるのは現実的に難しいため実質的な必要書類といえます。
GビズIDや提出書類については、こちらの記事をご確認ください。
補助金申請には「要件」がある
補助金を申請するには、各補助金ごとに定められた「要件」を満たす必要があります。
以下、よくある要件について大きく2つに分けてまとめましたが、全ての補助金に当てはまるわけではありません。申請したい補助金の公募要領にて個別に確認する必要があります。
その①事業(事業者)についての主な要件
最初にまず、自社が補助金の対象となる事業者であるかを確認する必要があります。補助金を使って行いたい事業がどんなに優れていても、自社が対象外の事業者であれば審査対象となりません。
- 中小企業であること(資本金、従業員数に制約あり)
- 大企業の子会社や関連企業(みなし大企業)でないこと
- 反社会勢力でないこと
- 過去に補助金に関する不正がないこと
- 同一内容で別の補助金の採択を受けていないこと
なお、中小企業の定義は以下のようになります。(中小企業庁HPより抜粋)
| 業種分類 | 中小企業基本法の定義 |
|---|---|
| 製造業その他 | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人 |
| 卸売業 | 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
| 小売業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人 |
| サービス業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
また、小規模事業者持続化補助金の対象となる小規模事業者の定義は以下の通りです。(同抜粋)
| 業種分類 | 中小企業基本法の定義 |
|---|---|
| 製造業その他 | 従業員20人以下 |
| 商業・サービス業 | 従業員 5人以下 |
その②事業についての主な要件
自社が補助金の対象となる事業者であったとして、さらに補助金を使って行いたい事業内容についても要件を満たしている必要があります。
- 補助金の主旨による要件
各補助金にはどのような事業を支援したいのか、という主旨があります。このため、そもそもの前提として自社が行いたい事業にあった補助金を選ぶ必要があります。
・新事業進出補助金の場合:既存事業とは異なる市場を対象とした新事業に挑戦すること
・ものづくり補助金の場合:革新的な新製品・新サービス開発したり海外需要開拓での生産性向上に資する設備投資を行うこと - 賃上げに関する要件
一定期間内(3~5年)の従業員の給与引き上げ率(年間成長率)について条件を満たす必要があります。また地域ごとの最低賃金水準よりもいくら以上多いこと、といった条件が付くこともあります。 - 新事業の売上・付加価値に関する要件
補助金を行って新しい事業を始める場合、新事業が全社的な売上・付加価値に対して一定以上の割合に成長することを求められる場合が有ります。
例:年間売上3億円の製造業の事業者が、使っていない倉庫を解体して飲食店を始めた場合
→製造業の売上3億円に対して、5年後までに飲食店の売上が3000万円(10%)以上にすること、など
補助金を受け取った後、賃上げや売上の要件を満たせないと最悪の場合は補助金の返還義務が発生することがあります。これらの要件について詳しくは各補助金ごとの「公募要領」に記載されていますので、しっかりと確認が必要です。
イメージ図
補助金で行いたい事業が要件を満たす以前に、自社が補助金の対象となる要件を満たしている必要があります。

「公募要領」は補助金のルールブック
「公募要領」は、各補助金のルールブックとも言える存在で、公式サイトからダウンロードできます。
補助金の公募の際には必ず公募要領が公開され、
- 詳細なスケジュール
- どのような事業が補助金の対象になるのか
- どのような応募枠が設けられているのか
- 必要な提出書類にはどのようなものがあるのか
などが示されます。
同じ補助金であっても応募の度に公募要領は最新版が公開されますので、必ず最新版の確認が必要です。
とはいえ公募要領は詳細まで書いてある分、慣れない方には非常に読みづらく、分かりにくいのが現実です。
そこで今後の記事にて、公募要領を読み解くための基礎知識を解説していきたいと思います。
補助金申請の疑問は誰に相談すべき?
補助金申請は制度理解や手続きだけでなく、審査に耐えるだけの事業計画書作成も必要になるため、人手の足りない中小事業者が社内スタッフだけで取り組むのはかなりの負担となります。
そこで以下のような相談先が役に立ちます。
中小企業診断士
経営コンサルタントとして唯一の国家資格です。市場分析・強みの整理・数値計画の説得力といった、審査員が評価しやすい計画書作成の支援に強みがあります。
行政書士
事業計画書の作成についてアドバイスをもらうだけでなく、実際の作成まで代行してもらいたい場合は行政書士への依頼が必要です。(行政書士として登録していない者が報酬を得て代行することは出来ません)
同様に電子申請の代行についても行政書士に依頼する必要があります。
税理士・会計事務所
数字まわりの専門家として、決算書・収益計画・資金繰りといった財務面での裏付けを確認・整備する役割を担います。
商工会議所・商工会、よろず支援拠点など公的支援機関
補助金申請について無料で相談できます。一方、具体的な事業計画書作成の支援までは期待できません。(自分で作成した事業計画書について意見をもらうことは可能です)
金融機関
補助金は投資に必要な全額をもらえる訳ではありません。(詳しくはこちら)
従って補助金以外での資金調達についての主な相談先は金融機関になります。また金融機関から借入する場合、申請の際に金融機関の確認書が提出書類として必要です。
今後の記事の予定
以下のような記事を用意しています。
第2回:補助金についてよくある勘違い
最初にまず補助金についてのよくある勘違いについて解説します。
第3回:補助金を巡るスケジュール
補助金の申請から受領までスケジュール感について解説します。
第4回:補助金の対象となる事業とは?
補助金を受けるためにはどのような要件(条件)を満たす必要があるかを解説します。
第5回:申請に不可欠な「事業計画書」とは?
補助金を受けるためにはどのような要件(条件)を満たす必要があるかを解説します。
第6回:申請に必要な他の書類とGビズID
事業計画書以外で必要となる書類や、電子申請に不可欠なGビズIDのアカウントについて解説します。
第7回:採択率を上げる加点項目とは?
加点項目にどのようなものがあるか、また特例措置要件との違いについて解説します。
第8回:Jグランツと電子申請
補助金の電子申請で用いられるJグランツについて解説します。
第9回:事業計画書と市場分析
3C分析・SWOT分析など市場分析がなぜ事業計画書に必要なのか解説します。
第10回:言語化の重要性
自社の「強み」・「課題」について具体的に説明することの重要性を解説します。
第11回:補助金にふさわしい事業とは?
補助金申請で採択されるための事業の方向性・考え方について解説します。
第12回:外部専門家の役割は?
士業やコンサルタントなど、補助金申請の際に助力を期待できる外部専門家について解説します。
番外編:補助金申請と行政書士
法改正と行政書士の独占業務との関連、および行政書士の試験制度についてまとめました。
次回の記事はこちら 補助金についてよくある勘違い

